なぜ「出世したくない=仕事に意欲がない」と捉えられるの?
大小多少の違いはあれども、会社で働いている人間なら、遅かれ早かれ昇級や昇進の機会はめぐってくるのではないだろうか。
私も先日、昇級(上がっても平社員なのですが)の可否を審査する、役員との面談があった。
結果からいうと不合格。来年も今の位置づけのまま過ごすこととなった。
私自身は会社での昇進や、課長や部長と呼ばれるような管理職を目指して働いているわけではなく、今の会社以外でも働けるような「仕事ができる人」になりたいと思って働いているので、落ちてもとくに支障はない。
受かれば毎月のお給料が数千円増えるので、その点では残念だ。
また、この試験に落ちたからといって、ふだんの業務で損をするようなこともなく、ただ本人の会社でのキャリアアップのために行うものだ。だから、落ちても私が損をすることは本当にない。
なのに、落ちたことに無性に腹が立つ。もう2週間ほど前のことなのに。
会社での昇級・昇進には本当に全く興味が無いのに、なぜこれほど腹が立っているんだろう。
たぶん、判定結果の紙に書かれていたコメントのせいではないかと思う。
「仕事にたいして受け身で、積極性や熱意が感じられない」(たしかこんな内容)
なぜそういうコメントが出てくるんだろう。
面接なのだから当たり前だが、私は、たとえば仕事の不満や会社への不満(こちらはたくさんあるが)などマイナスなことは一言も言っていない。それに、新人時代をのぞけば、「受け身」で仕事をしたりしたこともない。上司や先輩の指示がなければ仕事ができないわけでもない。自分の意見は言うし(とがった発言ではなく、あくまで自分はどう考えるかです)、効率化できそうなことや、こうしたほうが部署内の人たちみんなにとっていいのではと思ったことは、上司や先輩に許可をとって改善してきた。
自己評価が低くても、私は「自分なんてこんなもんだから、受け身で仕事をして、それなりにお給料もらえればいいや〜、私生活が充実していればいいや〜」という人間ではない。これはこういうスタンスの人を否定しているわけではない。仕事は仕事と割り切って、私生活に全力を注ぐのもアリだと思う。
ただただ「仕事ができるようになりたい、だれか人の役に立ちたい」という思いで、仕事をしてきた。むしろ仕事で自信をつけたくて、先輩の仕事も手伝わせてもらったし、とにかく数をこなさねばと躍起になっていたくらいだ。
じゃあなぜ「受け身で積極性なし」という評価がついたのか。
なんとなく予想はつく。
判定結果の紙には、講評が箇条書きで書いてあって、
「このコメントはおそらく私のあの発言を受けてだな」というのがなんとなく推測できるから。
たぶん、役員からの「将来部長(または管理職)になりたいと思う?」という質問に「いいえ」と答えたからだろう。
わかっている、この質問に対する正答は「はい」しかないのだ。
でも、心からそう思っていないのに、どうしても「はい」ということができなかった。
なぜ、管理職になりたくない=受け身的で熱意がない、ということになるんだろう。
赤字の続いている部署ならまだしも、私の部署は、赤字続きで崖っぷちの弊社のなかで数少ない、黒字経営&利益を出しているところだ。もちろん私だけの成果ではないが、本当に数人の部署なので、全員がそれぞれの仕事を完遂しなければ、利益なんて出ないだろう。
その一方で、ずっと机にいるけどこの人いったい何をして一日過ごしているんだろうか、と不思議に思うような人(特に、部長など管理職になれなかったおじさん達)だってたくさんいる。おじさんたちは社歴が長く、うちの会社は長くいる人が優遇されるような仕組みになっているので、管理職じゃなくても相当なお給料をもらっていることになる。
だから余計に腹が立つ。
管理職になりたくない=仕事に熱意の無い人、と捉えられたこと。
仕事量が少なく結果も出していないのに、上司へのアピールや面接での自分を魅せる演技・言葉によって昇級を続けてきて、たくさんお給料をもらっている人がいること。
もっと器用に、役員受けする正答を、自分の本心かのごとく並べられる人間になれればいいのだろうか。それが社歴を積むということなの?
そんなことなら本当にばかばかしい。だから赤字続きなんだよ。
そもそも、赤字が続いてしまうような経営体制を作ったのは役員たちではないか。数年前に入社した若手社員のせいですか?
選択が迫られる場面で、いつも判断を間違え続けてきた結果、こうなっているのに、なぜ偉そうにしているの?できてない人に、できてないと言われることに腹が立つ。
上司には「面接はにこにこして、明るく受け答えを」と言われたけれど、なぜ今の状況を作った役員の前でにこにこしなければいけないの?
会社員なのに、いまだにそうやっていろんなことの「意味」を問い続けて、器用に立ち回れない自分に腹が立つ。
こんなに文句があるなら、会社を辞めればいいのに、辞めずに働き続けている自分に腹が立つ。
私は今の自分の仕事が好きだ。
困っている人を助けたい、という思いを、自分の企画で実現していける仕事だ。
仕事ができる人間になりたい。誰にも異論を挟ませないくらい。
よくない感情にいつまでも心を奪われていないで、正しく成長したい。
だからこのブログに吐き出して、これでさようなら。
来年もまた昇級面談の季節が巡ってくるだろう。これからまた1年、納得のいくまで仕事と向き合って、どうどうとしていられる自分でありたい。