元気を出したいときに読みたい漫画「乱と灰色の世界」
毎日暗いことばかり書いている気がするので、今日は違うものを。
漫画です!漫画大好き!
仕事から帰宅して、あたたかい湯船につかりながら読む時間は本当に至福です。
特に、疲れていて、気分が落ちこんでいるとき。
そんなときに読みたくなるのは、入江亜季さん。
もうとにかくどの作品からでもよいので、まず一度本を開いてみてほしい……!
絵がね、本当にキラキラなんです。
見ているだけで幸せになれるくらい、かわいくて、美しくて、思わず笑顔になるような。漫画が好きで、描くことが本当に好きなんだなっていうのがわかると思います。
そのキラキラ感を、思う存分に堪能できるのがこちら。
乱と灰色の世界(BEAM COMIX)
表紙からすでにどきどきします。本棚に置いてあるだけで、ほれぼれするくらいの美しさなのです。あ〜いいなあ……。
それまで短編の作品を中心に発表していた入江さんの、初の長編作品です。
内容を一言で表せば、主人公の漆間乱(うるまらん)という10歳の女の子の成長物語。彼女は実は魔女。魔法が不得手な乱ですが、家にあるサイズの大きな運動靴を履くことで、グラマラスな大人の女性に変身します。ふだんの乱は、学校になじめず、友達もいなくて、どこかさみしさを抱えている女の子。けれど放課後、その運動靴を履けば、弱気な自分が吹き飛んで、別の人間になれるのです。
彼女が大人の姿で出会った男性・凰太郎との恋らしきものや、魔法使いの一族とその敵・骸虫のバトル、乱の魔女としての成長など、いろんなストーリーが混ざりあって進んでいきます。
入江さんの画の魅力が一番感じられるのは、なんといっても「女の子」。もう出てくるキャラクターがみんな色っぽい。身体のラインや、髪の毛の流れ、まつげの一本一本まで、生命力にあふれていて、輝いているんです。色気のある女性を描かせたら間違いなく日本トップクラスではないかと私は思っています。それも、男性が描くエッチな漫画の女性とはまた違う、エロさがあります。
話の主軸でもある魔法使いたちの敵、骸虫(むし)との戦いのシーンは、少々間延びした感はありますが、最終巻の第7巻まで、ぜひ読んでみてほしいです。7巻が私は一番好き。
大切な男性、凰太郎との別れによって(これはもう誰も悪くない、どうしようもない決別でした)、生きる希望を失い、文字通りひからびてしまう乱。
ひからびて、風に吹かれに散り散りになってしまった彼女だけど、同級生の男子・日比や魔女のお友達・仁央(にお)の助けを借りて生まれ変わります。
この第39話で絶対に泣いてしまう……。
いいことあるから
きっとあるから
あるからね
乱がそう言うシーンがあります。
私は何か落ちこむことがあったときには、この言葉を心のなかで唱えます。なんのことはない、ありふれた台詞かもしれないけれど、すごくグッとくる言葉です。
もうこの世界を見られないのかと、連載が終わってしまうのが悲しかったなあ……。
疲れているときにはファンタジーの世界に浸るのも一興かと。
冬休みに、こたつでほくほく読み進めるのもきっと楽しい作品です。
乱と灰色の世界 コミック 全7巻完結セット (ビームコミックス)